1 型糖尿病は、主に自己免疫によっておこる病気です。自己免疫異常により、自分自身のインスリン工場、膵臓にある膵島β細胞を破壊してしまうことで発病します。
1 型糖尿病は、決して稀な疾患ではなく毎年約 1万4千人が発症し、全国で約21万人が治療を受けています。生活習慣病でも、先天性の病気でもありませんし、遺伝して同じ家系の中で何人も発病することもまれです。
1 型糖尿病を発症すると、自分の体の中でインスリンを作ることが出来なくなってしまいます。インスリンがないと、ブドウ糖を細胞に取り込むことが出来ず、高血糖の状態となってしまいます。ブドウ糖は細胞のエネルギー源として大切なものですが、高血糖状態が続くと、様々な形で血管の壁に溜まり、糖尿病特有の合併症につながります。
検査・治療
「インスリン分泌が枯渇した 1 型糖尿病」は最も血糖コントロールが難しい糖尿病です。当院では持続血糖測定機器、CSII インスリンポンプ療法を使い治療を行っております。
持続血糖測定機器とは、皮下に刺した細いセンサーにより、間質液中の糖濃度(間質グルコース値)を持続的に測定することで、1日の血糖変動を知ることが出来る医療機器のことです。そのため睡眠時の血糖推移や食事に伴う血糖変動を把握することができ、低血糖/高血糖の予防やインスリンの治療に力を発揮します。
インスリンポンプ療法は、携帯型インスリン注入ポンプを用いて、インスリンを皮下に持続的に注入する治療法です。従来のインスリン療法で血糖コントロールが難しい場合、血糖コントロールをよりよくしたい場合、あるいは生活の自由度を高めたい場合などに有効です。