肥満は摂取カロリーの増加や運動不足、遺伝的な背景の違い(体質)によっておこります。
肥満は単なる外見の問題ではなく、「糖尿病」や「高血圧」といった生活習慣病を引き起こすリスク因子になります。
当院医師は糖尿病専門医として肥満症治療学会の肥満症外科手術認定施設にて30症例以上の肥満症外科手術症例を経験、100例以上の内科的減量診療に携わってきました。それらの経験・実績に基づいて当院では肥満減量の相談・治療をいたします。適切な治療を受けることで、患者様の健康な体作りをサポートします。
今まで自分で行うダイエットに何度も挑戦したものの目標を達成できなかった方や、健康診断などで「体重を減らしてください」と言われたもののどうすればいいかわからないという方は、是非一度、当院の肥満外来へご相談下さい。
肥満外来について
当院には、日本肥満学会所属の医師の他,糖尿病療養指導士(CDEJ)・管理栄養士の資格を持つスタッフがおります。医師だけでなく、これら専門家がチームを組んで、患者様の食事・栄養相談を行います。
肥満外来の目的
病気の改善・予防ができる
これが肥満外来の一番の目的です。病気の改善や予防を行うために、その一環としてダイエットを行います。
医師による、医学的根拠に基づいたダイエットができる
健康を損なうおそれのある治療はいたしません。正しい知識を持った専門医が、患者様のお身体の状態やライフスタイルに応じて、健康を促進するダイエットを実施・指導します。
適切な処方薬の選択
疾患の治療の一環、あるいはその治療を助けるため、必要に応じてお薬を処方いたします。
診療の流れについて
初診では血液検査にて糖尿病や脂質異常症、あるいはそのほかの代謝疾患のスクリーニングを行います。
また,肥満をきたしうる内分泌(ホルモン)異常がないか確認します。
その上で、2週間〜1カ月に1回を目安にご来院いただき、医師を中心とした専門家チームが食事・運動指導、薬物療法といった治療を行います。
目標体重は患者様ごとで異なりますが、一般的には3~5%の体重減少により生活習慣病の多くは一定程度改善することが示されていますので、まずそれを目指します。
当院では、半年を1クールとして、患者様お一人お一人に合ったプログラムを組み、計画的に治療を進めて参ります。治療期間を区切ることで、患者様のモチベーションのアップにもつながります。
治療について
食事療法・運動療法
肥満外来で行う治療の基本は、食事療法と運動療法です。
食事療法では、医師や管理栄養士が減量のための食事内容や栄養の知識について指導します。患者様の性格、生活スタイル、体格、目標体重などを考慮し、一人ひとりに合った食事療法を提案します。
すでに糖尿病、脂質異常症、高血圧などを引き起こしている場合は、食事療法と運動療法に加えて、薬物療法を行うことがあります。
肥満症の方における運動療法の主な目的は、基礎代謝の改善と余分な体脂肪の燃焼です。
身体の状態や年齢に応じた、適切な運動療法を行います。
ウォーキングや軽いジョギング、水泳といった有酸素運動が特に有効です。必要に応じて、負荷の軽い筋力トレーニングも指導します。
薬物療法
・GLP- 1受容体作動薬
GLP-1は元来体内で分泌されているホルモンです。分泌量が増えると食欲抑制・脂肪分解促進の働きをするため、お薬として体内に取り込むことで体重減少が期待できます。
当医院は、保険による肥満外来も実施していますが、保険適用にはあてはまらないが、血液検査等により体重を減量する事で未然に病気を防げると医師が判断した場合、自由診療によりGLP-1受容体作動薬を処方します。
※美容目的や減量不要の方へのGLP-1受容体作動薬の処方はお断りしています。
・SGLT2阻害薬
腎臓で糖を再吸収するたんぱく質(SGLT2)の働きを阻害し、糖を尿中へ排泄するお薬です。
糖尿病のほか、慢性腎不全、慢性心不全治療薬として保険適応があります。
薬の作用によって、1日あたり約400キロカロリーのブドウ糖が尿中へ排出されるため、減量効果が期待できます。
肥満減量手術
高度肥満(BMI35以上)の患者様、減量不十分な患者様は、肥満減量手術を検討してもよいかもしれません。
手術適応があり、手術が必要と考えられる方には加古川中央市民病院・神戸大学医学部附属病院など、肥満症外科手術を行なっている医療機関への紹介も可能です。